これは想像のストーリーなどではない【 初恋の嵐 について】
7月7日、"初恋の嵐" というバンドの「ラスト・ワルツ」と銘打たれたライブに行きました。
詳しく話す前に、まずは "初恋の嵐" についてお話しする必要があるかと思います。
初恋の嵐は、2002年にメジャーデビューした3ピースのロックバンドです。もちろん日本のバンドです。
メンバーは、西山達郎 (Guitar, Vocal)、隅倉弘至(Bass)、鈴木正敏(Drums)。※敬称略
このうち西山達郎さんはこのバンドの中心で、作詞作曲もすべて担当しています。
どこか寂しげな歌詞は、未熟だけど洗練されていて、無骨だけど美しい、大真面目でぶっ飛んでる、まさしく唯一無二のものだと思います。
決して難しくないシンプルなメロディーは、つかみ所がなく、でも不思議な程印象的で、忘れ難いものばかり。
好きなバンド、ミュージシャンは数えきれないくらい沢山いますが、僕にとってこの初恋の嵐は、その中でも少し違ったバンドです。
その理由の一つは、もう西山達郎さんはこの世に存在しないから。
西山さんは、2002年の3月2日に、急性心不全の為逝去されました。享年25歳。
メジャーデビューに向けて、プリプロ、レコーディングなど、様々な準備をしているまっただ中であったと言います。
そのデモやプリプロの録音を使用し作り上げられた楽曲達は、同年7月にデビューシングル「真夏の夜の事」、8月にデビューアルバム「初恋に捧ぐ」にまとめられ、リリースされました。
その後、バンドは休止状態になりました。
しかし2011年、イベントへの出演をきっかけに、初恋の嵐としての活動が再開されます。
ゲストボーカルを迎える形で再開された初恋の嵐。当時親交のあったミュージシャンや、隅倉さん鈴木さんとお付き合いのある方など、様々な方々が西山達郎さんの書いた初恋の嵐の歌を歌いました。
そういうワケで、今まで初恋の嵐の活動が存続してきたのです。
そして、「ラスト・ワルツ」が開催されました。
このライブで再びバンドは活動休止になります。そもそも予期せぬ再開であった事と同時に、現在のスタイルでの初恋の嵐をやり尽くしてしまい、一度終わらせないといけないなと思ったからだそうです。
とてもよく分かります。でもやっぱり寂しいですね。初恋の嵐のライブが見れるっていうのは本当に幸せな事でした。そのラストは、何としてでも見なくてはと思いました。
総勢20名のゲストボーカルを迎え、殆どすべての楽曲が披露されました。
一人一人が、西山さん、そして初恋の嵐に想いを馳せ、それぞれの歌声で丁寧に歌われていました。それはそれはピースフルな空間でした。出演者もお客さんも、その場にいるすべての人が同じ目的でこの場にいるんだと、そんな風に思いました。
各ボーカリストの個性が光る中で感じたのは、初恋の嵐のバンドの音がしていると言う事です。当たり前なのかもしれませんが、それがとても嬉しかった。間違いなく初恋の嵐のライブだった。西山さんは自身の楽曲に自らの魂を込めたのだと感じました。
あっという間に駆け抜けた4時間。ラスト・ワルツと呼ぶに相応しい、静かで華々しいライブでした。本当に幸せでした。
僕がこのバンドを特別に思うもう一つの理由は、誰からも愛される人柄(歌柄?)みたいなものを感じるからかもしれません。
最後に。
このTSUTSUGYSTORMという名前も、初恋の嵐が由来です。
白いツツジの花言葉が「初恋」で、そこにStorm。というわけで、TSUTSUGYSTORMという名前にしました。まぁ、それくらい好きってことです。
では、また会える事、そして初恋の嵐というバンドに出逢い、これから出逢う沢山の人の事を願って。
TSUTSUGYSTORM